人のセックスを笑うな



グリムジョーとセックスするたび気分が悪くなる。グリムジョーも俺の下でえづきそうな顔をしている。人間は寝る間も惜しんでこんなことに励んでるらしいが、俺には全くわからない。億劫ではないのだろうか。気持ち悪くないのだろうか。俺は 吐きそうだ。吐き気をこらえながらグリムジョーに腰を打ち付けている。気持ち悪い。だけど実際俺たちに吐くものなど何もないから、いつまでたっても気分は良くならない。


眉間に皺を寄せて耐えるグリムジョーの睫 毛に、汗の玉が引っかかっている。それをぼんやり眺めて、女みたいだ、と思う。 そう言うとグリムジョーは、お前女としたことあんのかよつーか出来んの?と蒼褪 めた顔で嘲笑った。確かに俺は覚えてる限り、グリムジョーとしかしたことがない。な らば女みたいと思ったのは、虚になる前の記憶からかもしれない。割と真剣に答えたのに、そんなのばっか覚えてんのかよウルキオラのくせに、などとまた笑われて不愉快だったので、首筋に噛み付いてやった。グリムジョーが苦しげに呻く。
ああ吐きそうだ。


例えば俺が人だとしても、きっとセックスなんか好きじゃない。子孫を作るためだとしても、人間は他にもうじゃうじゃいるのだから俺が敢えてする必要もない。そんな考えは無意味だ。だけど、それを言ったらグリムジョーとすることはそれ以上にもっと無意味だ。暇を潰すにも他になにかあるだろうし、大体こいつはともかく俺は暇じゃない。今だって藍染様に言いつけられた雑用がまだ残っているのだ。それを後回しにして、こんな気持ち悪いことを続けている。意味が分からない。


「…お前いい加減にしろよ」


不意にグリムジョーが言った。吐くのを耐えるみたいな顔をしている。



「青白い顔しやがって」

「もとからだ」

「そういう話じゃねえ」



グリムジョーは腕で顔を覆うと長い溜め息をついた。 崩れた青い髪が俺の動きに合わせて揺れている。


「気持ち悪いかグリムジョー」

なんとなしに聞いてみると、気持ち悪ぃよとくぐもった声が返ってきた。同じなのに。
中身のない会話。無意味な運動、不愉快な時間。気持ちが悪い。いつだってえづきながら、快楽なんかいつまでたってもやってこない。気持ち悪い。何回やっても何も変わらない。どうしたって、こんなことをする意味はない。

なんでこんなふうになるんだろうな。呟くと、グリムジョーは、そんなこともわかんねえのかよウルキオラのくせに、と悪酔いしたような顔で笑った。



「俺たちが死んでるからだよ」



ああ成程。俺は 強く納得する。
それでもこれをやめられない、その理由は知らないが。








end

















虚は生殖活動の必要がないのでやってても全然気持ちよくないという話。
全然気持ちよくないくせに近づきたいとか一緒にいたいとかいう気持ちの発露の仕方がよくわかんなくて、人だったときの感覚からセックスしてしまったけどやっぱり気持ちよくなくて、なにしてんだろーとかなってたらいいなあ!というあれでした。
ていうかたつの?って感じですねすいません