闇・光・闇(の、無駄な無意味な無価値なお誕生)








なにか欲しいものはあるかと聞かれたのは俺がそれまで持ってたものの大方全て を失った時で、それは戻ることのないものばかりだったし藍染様は別にそれをあ げると言った訳ではないのでただ、別に、と答えた。


「別にってことはないだろう?」

「…それ聞いてどうすんですか」

「可能なものなら君にあげたいと思って」


藍染様はにこにこ笑ってそう言うから、やはり失ったものを取り戻せるわけでは ないのだ。腕とか地位とか気の許せてた仲間とかそういうもの。不可能なそれ以 外でなにかないかと頭を巡らしてみたら、本当に何もなくてちょっと笑えた。


「なに?」

「いえあの、本当に今は、思いつかないです」


確実にこの人の求める答えではないだろうが他に言うべき言葉も見つからない。 案の定つまらなそうにふうんと呟いて、しかしすぐに気を取り直したように、し てほしいことでもいいんだよ?と言った。あなたに?そう私に。なら俺の腹の穴 を撫でまわすその手をどけてほしいしこの会話ももうやめたい。とか言える訳も なく、今度こそ、この人の満足いく答えを見つけなければいけない。質問されて るのは俺なのに、答えを握ってるのはいつだってこの人だ。藍染様は穴の縁を細 い指でなぞっていて、それはどうあっても不快でしかない。が、これは藍染様が 俺とする時にする行為だから今も、もっとしてとか言えば喜ぶのかもしれない。 わざとらしいかもしれない。


「グリムジョー?」


優しい笑顔が早く、と促してて焦る。そして唐突にこの人の考えなんか俺にわかる訳もなかったと気付いて、要は自棄になって俺は考えるのを放棄、「じゃあもうセックスのために呼ばないでほしいです」と馬鹿正直なことを言った。 ら、藍染様は物凄く意外そうな顔をした。心外だ。


「どうしてしたくないの?」

「だって痛い」


答えたら、痛いのが好きなんじゃないのと言われた。すごい心外だ。


「他にはないの?」

「…好きとか大事とか言わないでほしい」

「どうして」

「嘘臭いから」


同じ理由で、怪我をして帰る時に気遣うようなことを言うのもやめてほしい。す れ違いざま手に触れたり髪を撫でたりするのも反応に困るからやめてほしい。間 も置かず言い募るのは、墓穴というのは掘ってる間は落ちないからだ。藍染様は 穏やかな表情で聞いている。そしてついに言葉に詰まった俺に優しく笑いかけて 、終わり?と聞いた。終わりです。


「それはねえグリムジョー、乱暴に扱わず優しく抱いて欲しいということ?」


思わず絶句する俺に構わず藍染様は笑顔でどんどん言葉を吐き続ける。


「心から好きだ大事だと囁いて欲しいということ?身を裂かんばかりに君の身を案じて欲しいということ?君の手や髪に触れる理由を知りたいということ?」


なにも言えずにいる俺に、藍染様は笑みを深くして、愛されたい の?と聞いた。私に愛されたいの?君が欲しいのはそれは、愛というものだよ。


そうなんだろうか。俺はこの人に愛されたいんだろうか。けど俺はそんなもの知 らないしわからないし、そうだとしてもそれは可能なことなのか。あんたはそれ を俺に与えられるか。


藍染様は無理だよと言った。それはもうあげたじゃないか全部、今だって、なんて言われてもやっぱり俺にはわからないし心当たりもない。わからないものは受け入れようがない。藍染様が空いた腹の中で爪をたてる。痛かったが酷いと言ったのはこの人だ。







end























グリムジョーの誕生日を祝うこころもちその2
破壊だけが存在理由なあのこに光と愛をということで
ウルから光/藍から愛をということで
でもゼン様あげれてないよね がんばれ
根気もって接してあげて下さい